二拠点生活がもたらす価値と意味(#910(ここのつとお)の場合)

逗子に建てた家を、自分と家族が使うだけでなく、#910(ここのつとお)として他人と共に暮らし合う生活を始めて1年とちょっと。

私たちが「拡大家族が暮らし合う」と呼んでいるように、ここが安心感で繋がり合える場所に育ってきていると感じています。

 

ここを開放しようと決めた時に思った事は、

 

素に戻れる

素に戻って考える

素の自分を受け入れてくれる

そんな場所になったらいいな、ということでした。

 

自分の経験から言っても、人って忙しいと、立ち止まることをつい忘れちゃうんじゃないか、そう感じます。

だからこそ「素の自分」に戻れる、そんな場所があったら、って考えたんです。

 

#910(ここのつとお)での暮らし方は2つ。

ここを住居として常に生活をしている人。

そして、ここを二地域居住の一拠点としている人。

※この二地域居住での暮らし方を#910では「リトリートステイ」と呼んでいます。

実際、私たち夫婦も二地域居住です。

 

リトリートステイの方は、ご自分の本拠地を他に持ちつつ自分のペースで#910に訪れますが、みな、湘南や逗子と言う土地が好きでここに辿り着き、この土地の空気感を楽しみつつ、一つ屋根の下で暮らし合っていると思います。

 

そんな場所で、私がすることはただ一つ。

 

安心・信頼できる場所を用意し、整えること。

 

そして、1年経った今、実感としてわかるのは、

人は

自分のための時間を持ち、

素の自分に戻り、

素の自分を受け入れてくれる場所を感じると、

人は「自分はこうありたいんだ」という本質に自ずと気づける様になる

ということ。

 

この1年、#910(ここのつとお)に暮らしてきた島民から、実際に変化していく姿をたくさん見せてもらいました。

島民はここでそれぞれ好きな様に時間を過ごします。

その個性豊かなスタイルからいつも私は新しい気づきをもらっています。

 

そして、リトリートステイしていた島民から、 今回も新しい気づきをもらいました。

それは、

「自分の本質」に気づくことは、

必ずしも二拠点で「寝泊まり」しなくても実現できる

ということ。

 

#910(ここのつとお)にリトリートステイしていたある女性の話。

フリーランスの彼女は、湘南という土地に繋がりを持ちたいこと、そして始めようとしている執筆活動に注力するための集中できる場所を持つという動機で#910(ここのつとお)への入居を決められました。

念願の土地に安心できる居場所を得て非常に喜んでいらっしゃいました。

とは言え幼いお子さんをお持ちでもある彼女、逗子まで来てもほぼ毎回日帰り。

わずか2時間ほどの滞在のためにわざわざ来た事もあったようです。

結局4ヶ月で退去されたのですが、その間で#910(ここのつとお)に寝泊まり出来たのはわずか2回。

 

そんな環境でも、月に1回の島民の集まり(自治会)には、ご主人にお子様を預けて参加したり(とは言え、ギリギリの終電で帰られたり。涙)、それも難しい時はSkypeで参加するなど、その時に出来る範囲で最大の関わりを持とうとしていらっしゃいました。

もっとここに遊びに来たい、泊まってゆっくりしたいという気持ちもあったと思います。

 

自分一人、家族と距離を置いて#910(ここのつとお)で迎える朝も素晴らしい。

でも、それが出来ない時もある。

その時にどうするか。

 

小さなお子様や家族を大事にしながら、やりたいことを諦めない。

やりたい事が100あって、もし30の出来ることがあるなら、その30を存分に味わう。

それは妥協ではなく、やりたいことをやる方法の一つであると捉えること。

 

彼女が退去するにあたって島民へ残してくれたメッセージ

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ここを出ようと決めた時、
今度は私が誰かの#910(ここのつとお)のような存在になりたい、と思ったのです。

心の拠り所
もう1つの拠点
本来の自分に還れるような
ただいま、と帰れるような

そんなあり方で生きてる私でいます。

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これは、その時々でベストな選択をしてきたからこそ出た言葉。

彼女は、#910(ここのつとお)での時間で、やりたい事を諦めない自分を再確認できたのだと思います。

 

彼女の行動は、機会を意味あるものにすることは、時間の「量」ではなく「質」で叶えられること、与えられている環境の中で使えるものを最大限使えば自己実現は可能だということを私に見せてくれました。

 

彼女が#910(ここのつとお)に入ろうと決めた時の「これは未来の自分への投資です」おっしゃられた言葉を今でも印象深く思い出します。

未来への投資という思いを言葉にしっかり乗せて実行したからこそ、それが実現したのだとも思います。

 

島民が#910(ここのつとお)を出る時を見送る時はとても嬉しい。そして、少し寂しいのであります。

おめでとう、そして、ありがとう。

行ってらっしゃい、そして、また遊びにおいで。

#910(ここのつ島)