親の自立・子の自立。〜受験を通じて考える〜

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先週アップした記事に引き続き、今度は試験ネタに息子との会話を絡めて少し。

 

それにしてもですね。

日々のちょっとした時に「もう試験に向けて勉強しなくていいんだ!」と、じわっと幸せを感じる瞬間が多いのですよ。

そんな折、珍しく家にいた息子とお昼を二人で食べていたときの会話で何気に気づきが多かったので、とにかく、再現。

 (ラーメン食べながら・・・)

母:かーさんさぁ、試験が終わって本当に良かったって、改めて思うんだよねー。

例えば、これまで移動の時に持ち歩いていたテキストとか、これからは鞄に入れなくていいんだって気づくときとかの、ふとした時にさぁ。

息子:ふーん、良かったねー。

母:しかしさ。あなた、去年一年間の浪人生活、よくぞ本当にがんばったよね。

何度でも言うよ、ほんとによくやったわー。

今さらだけど、当時のあなたの気持ちが少しだけどわかった気がしたよ。

あれはあなたにとってはずいぶんキツかっただろうと思う。

息子:うーん、5月がね〜。

5月の頃はキツかったね。

これから先、ずっと一生5月が続くって思ってた。

母:へー、そうなんだ!

浪人が決まって、新学期始まって、で、5月か。

そんなキツいと思ってたなんて全然気づかなかったなー。

その頃って、勉強では何がいちばん大変だった?

息子:うーん。まっさら過ぎるというか、取りかかれるところが多過ぎて、逆にとりかかれない、っていうか。。。

しばらく繰り返していくと、じぶんのわかっている所とわかっていない所が見えてくるから、やる事とやらなくていい事が見えてくるんだけど。。。

母:あー、それそれ、よくわかるなー。

スイッチが入った!みたいになったのって、いつ頃?夏とか?

息子:スイッチが入った、っていう感じはどこでもなかったなぁ。

なんて言うか、スイッチは入っているんだけど。。。

徐々に上がっていったっていうか。

母:そうかそうか。

でもさ、改めて今回思ったけど、記憶したり理解したりって言う「勉強」って、ループなんだよねー。

そうそう、それで言うと、ほぼ日刊イトイ新聞の夏の終わりの恒例コンテンツに「勉強の夏ゲームの夏」というのがあるんだけどさ。

賢いセンセイがいろんな質問に答えてくれてそれがウイットに富んでて面白いんだよね。今年の夏は、かーさんも試験勉強してたから、一生懸命「勉強の夏」の所を読んでみたんだよね。

 

そこでさ、京大卒業のとうじ先生が、

勉強は、やりかたを覚える、

というのではないのですが、

おなじ場所を何度も通って、
わだちを深くしていくうちに、
水が通るようになるんです。

 

 苦手分野は、いろいろと手を出してはダメ。
1問でいいです。
英語の長文も、苦手だったら、
1パラグラフだけでいいです。
細切れでやらないと、つまづく箇所が多すぎて
忘れてしまいます。
忘れないように、できる量を、何度もやります。
わかることが増えるととっつきやすくなります。

って言っててさ、「同じ場所を何度も通って、わだちを深くするのか」って、妙に感動したんだよねー。

逆に、そうか、わだちが浅い間は水も流れないのか!ってさー。

母:でもさ。そんな「一生来年は来ないんじゃないか」って思えるような、気持ちの暗い時期に、いきなり母親が「かーさんは、これから湘南に暮らしたいです。なんで、シェアハウス入ります。」とかってさ、それ、どう思ってたの?

息子:うーん。それはねぇ、そんなに、問題じゃなかったなぁ。

母:へー。そうなんだ。

まぁ、今さら「本音は、実はキツかったんです。」とかってのも困るから、そう言ってもらえると助かるけど、そうか、そこは関係ないんだ。

やっぱ、高校生くらいだと、母親には好きな事してもらってる方が気楽ってなもの??

息子:うん。そうね。親が何してようが、それってあんまり関係ないよね。

母:そうかー、そうだよねー。

実はさ、この間初めてお会いした方が、高校3年生の息子さんを持つお母さんだったんだけど。

で、その方、これまでは基本的には専業主婦を軸に暮らして来てたんだけど、これから先の人生で自分のやりたい事を見つけられたかな、って言う状態にやっとなったんだよね。それって本当に素晴らしいことで、そのまま周りには気を使わずに自信を持って突き進んでみたらいいじゃないって思うんだけど、そのママは「準備を始めるのは息子の受験が終わってから」って言うんだよね。

そこにいた他の方も、自分の目指す方向へ向かって頑張る事が息子さんの刺激にもなるだろうから、もう高3の息子さんの事は放っておきなさいよってって。

かーさんも全く同じ事思ったから、親の注意や関心が自分(子ども)に向いていない方が子供ものびのびと自分らしく頑張れるかもよ?って言ったんだけどね。

でも結局その方、頭ではわかっちゃいるけど心からは納得してないって感じだったなぁ。

息子:親が子どもを言い訳にして何かをやらないと、子どもも同じように親の事を言い分けにするようになるからね。

母:子どもが親の事を言い訳にするって、例えばどんな風に?

息子:だから、親は自分の受験のために全部をいろいろやってくれるのが当たり前だというのがあると、何かうまくいかなかったときや出来なかった時にそれを親のせいにするんじゃない?

だって、親だっていろんな理由でご飯が作れなかったりする時もあるわけで、そう言う時に親が自分のためにやってくれるのが当たり前って言うようになっていると、「あの時ご飯を作ってくれなかったから出来なかった」って言い訳するようになるってこと。

母:あー、そうかー、そうだよね。何かうまくいかなかった時に、ベクトルを外側にもってくるのって短期的にはラクだけど、決して解決にならない方法だよねー。

うんうん。起こった問題をジブンゴトにしたくない気持ちはよくあるけど、そう言うい意味で逃げ道がある状態を作るのは、あんまりよくないねぇ。。

 (ここらでラーメン食べ終わる)

 

まぁ、そんな風にオトナへの階段を登っている息子との会話は、気づきと学びが多くて面白いのですが、ここで先日読んだ記事についても思い出しまして。

 

それは、難関私立の灘中・高校(神戸市)から東大理III(医学部)に息子3人を合格させた佐藤亮子さんという方と、同じく灘→東大理IIIで学んだ精神科医の和田秀樹さんの公開対談の週刊朝日のweb記事。

要は、どうしたらわが子を東大理IIIに入れられるかという「受験テク」についてのお話なんですが、その方が「受験に恋愛は無駄。女の子と2〜3時間スタバでお茶する時間があったら、その時間分問題集を解くべし。恋愛している場合じゃない事を教えましょう。」とおっしゃられているのが何とも印象的で。

この公開対談で語られている内容と、ほぼ日のとうじ先生の言っている事の、なんと言いますか、ギャップが面白すぎる。

もちろん、東大に合格させた「親」の話と京大に合格した「本人」の話では、そもそも出発点が違うので比較は出来ないのだけれどね。

「東大や京大に入ったら間違いなくモテる」と言っているのは両者とも同じとは言え、東大に合格した3兄弟が考えている事も聞いてみたいよね、と思いました。