97歳吉沢久子さんが著書「ほんとうの贅沢」で説く「変われる勇気」

全ての物事は変化していく。

自分も他人も、何もかも。

だからこそ、自分は変化を恐れず、むしろそこに軽やかに踏み込み、変化しながらチャレンジしていくこと。

やーっぱり、これがとにかく大事なんだなっ。

・・・と思ったのは、家事評論家でエッセイストの吉沢久子さんの書かれた「ほんとうの贅沢」という本を読んだからなのですが。

ほんとうの贅沢

ほんとうの贅沢

 

 吉沢さんは現在97歳にして今なお一人暮らしを続けられ、真の意味での自立を実践されてきていらっしゃってて。

数年前に他界した私の父が1919年生まれだったのですが、父と同じ年回りと思うと、改めて吉沢さんの心身ともに健康で自立した生き方に感動します。

この本、文調としてはかなり柔らかなので気楽に読み始められるのですが、大正時代から昭和、戦後、そして今の時代を女性としてしなやかでたくましく生きてこられた経験からの言葉の連なりはピリっと辛口で、読んでいくうち次第に正座したくなる様な迫力があります。

寝ながら読むとか、なんかムリです。笑。

 

 

吉沢さんはこの本で

・自立すること

・自分軸を持つこと

・相手を尊重すること

・一人の孤独を味わうこと

・後半(下り坂)の人生を楽しむこと

 

についていろいろな角度からお話しされてるのですけど「すべては変化している。変わらないものなど何もない。」のメッセージが根底に流れているのを感じるのです。

自分自身を長いスパンで振り返ってみると、意識も好みも考え方も大きく変化してきたけれど、短いスパンで見た昨日の自分と今日の自分でさえ絶えず変化してるわけで。

すごーくイヤな事があって、どっぷりと疲れてるのに一晩寝たら案外スッキリしている事なんかも、寝る事で新しい自分に生まれ変わっているようなものですよね。

解剖学の養老孟司さんも「人間を構成している成分は約1年で90%以上入れ替わる」とおっしゃってますが生きる事は変わる事、心も身体も同じままのものなんて一つもないんですね。

吉沢さんの言葉を引用しますが、

 世の中は変わってきています。

 結婚と言うかたちをとらずに、子どもを産むことがあってもおかしくはありません。現状では、そういう人たちが安心して、子育てできるような環境にないかもしれませんが、いずれ社会や法律は変わっていくでしょう。

 これまでの道徳観も、変化するかもしれません。

 

変わらないものなどありません。

だから私たちは、変われない人になってはいけないと思います。

状況に応じて上手に変化できるほうが、生きやすくもあるのです。

 

いろいろな人がいて、いろいろな事情がある。

いろいろな考え方があって、いろいろな変化が起きている。

この基本を忘れないことです。

 

 97年間、激動の時代を生きてこられての、この言葉。

この重みを私たちはしっかり受け止めて自分のものにしなければ「もったいない」。

もし自分の置かれている状況がうまくいっていないと感じられたとしても、状況は常に変化しているのだから決して諦める事なかれ。

弱肉強食のこの世の中で生き延びるのは強いことではなく環境や変化に対応できること。そして、これまで良しとされていた価値観がオセロが反転するように変わる事もよくあること。

それが基本。

 

私のことになりますが、去年の5月に一人で江ノ島のシェアハウスに住むデュアルライフを始めたことは大きな変化とチャレンジでした。

勇気を持って自分の環境を変えたことで、私自身の家族に対する接し方も大きく変わり、結果的に家庭内でもそれぞれの自立が促され、概ね良い方向へ変わったと思っています。(もちろん課題はたくさんあります)

自分が変わると、自分の周り(世界)も新しく変わるのですね。 

 

いろいろな事が新しくなる変化の季節だからこそ、古い考え方や習慣、思い込みに囚われてた人は、それらにスパッとサヨナラして、変われるチャンス。

上手に変化して生きやすいように生きていける自分になろう。

自分自身が喜び、充実し、満足できることにどんどんチャレンジしていこう。

真の意味で自由になって自立し、ほんとうの贅沢を手に入れよう。

そんな気持ちにもなれる、とても良い本でした。

ほんとうの贅沢 あさ出版電子書籍

 

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人間、最後はひとり。

人間、最後はひとり。

 

 

もうすぐ百歳、ふり返らず。

もうすぐ百歳、ふり返らず。