浪人中の息子へ。入試が始まる前に母さんが思う事と伝えたい事。

今週末はセンター試験。

とうとう入試本番まで1週間を切り、受験生や浪人生の皆さんにとっては、今まで頑張ってきた人も、そうでなかった(かもしれない)人も、泣いても笑ってもあと約一ヶ月という最後の追い込み時期。

かく言う我が息子も浪人生。

 

高校卒業まで、とにかく部活に思い切り情熱を注いできて、浪人するまで机に座って問題を解いたり自分の考えを論文にまとめたり覚えたりといった「お勉強」にはさっぱり縁遠かった彼。

多分、息子にとっては、そう言う意味での「大学入試のために勉強する」と言う事が何をする事なのか全くわからなかったはずでしたが、そうは言っても浪人生。

やるしかない。

そして、慣れない勉学に励んできたこの一年。

今だからこそ、かーさんが息子に伝えておきたいこと。

 

 

実はですね。

こう言うのは変なのかもしれないんですけど、息子には浪人してくれて本当に良かった。心から感謝している、というのが本音。

そりゃもう、スムーズに大学に合格してくれて、今ごろ大学生活を満喫してくれていたら、精神的にも経済的にもどんなに健康的だっただろうか、とはもちろん思いますけどね。

でも、それでも。

彼が浪人を決めた理由として。

これまで一生懸命頑張っていたアメリカンフットボールを大学でも(そして社会人になってからもずっと)続けたいと心から思っている彼が、その気持ちを自分の中で確認する過程で、自分はどんな環境でプレーしたいのか、何をそこで得たいのか。

湧いてきた想いの先に見つけた「自分が行きたいと思った大学」は、これまで勉強に大きな距離を置いていた彼にはあまりにハードルが高すぎて、必死に勉強をせざるを得なくなった。

 

それでも「自分はどこで何を学び、どの様に生きたいのか」という自分軸で進路を決めるという決め方は、今回の結果がどうなろうと、今後の人生にとって大きな意味があると感じるのです。

それに、一生続く学びの中で(むしろ学生生活が終わってからこそ真の学びが始まる中で)「学ぶ」ための自分なりのやり方や集中力は、今だからこそ身につけられたことであり、これから社会の中で生きていくために必ず役に立つとも信じている。

去年の春にはサクラは咲かなかったけれども、浪人生となった経験は一つも間違っていなかったと思っている。

 

それとは別に。

かーさんはですね、案外、楽しかったんですよ。

何がって、それは、思春期を終えて大人にさしかかった息子と一緒に晩ご飯を食べられた事が、です。もう少し詳しく言うと、夕飯時に会話ができたこと、が。

高校時代は、とにかく部活が忙しく帰宅した時は毎日ヘトヘトで、当然そんな状態の時に親と話す気力なんてあるわけなくて、最低限のやり取りすらなかったけど、今年は予備校と図書館と自宅の往復を繰り返す中で、夕食の時間は数少ない気分転換の時間。

息子と娘と私の3人(帰宅の遅いオットはほぼ不在)での多種多様な会話はかなり面白かった。

高校時代の部活や試合を通じて学んだ事や親について思う事、さらには恋愛観まで、とにかくいろんな話をしたのだけれど、そこでの会話から見られる息子の成長には驚くものがあった。

そんな風にお互いフラットに話が出来たのは、ひとえに息子のメンタリティが成熟したからだと思うし、もし高校を卒業してストレートに大学進学していたら、こんな風に会話をする時間の余裕はきっとなかっただろうと想像できる。

今度晴れて大学へ入ったら(いや、入って欲しい。。)家にはほぼ帰ってこないだろう。就職後は言わずもがな。今が息子が自宅にいてこの時期の会話が楽しめた最後の瞬間だったのではないかと思えてくる。

そう。家を巣立つ直前の最後の一年は、かなり楽しかったよ。

 

と言いながらも5月からかーさんが始めた江ノ島ー東京のデュアルライフをかーさんが始めたので、浪人生であろうと容赦なく家事分担をさせました。(おいお前、息子と食事するのが楽しいと言ったばかりだろう!とツッコミを入れたくなる様な真逆行動ですがw)

 

でも、浪人生だからと言って勉強だけやっていれば良いなんて、もはや甘すぎる。

これからの時代、男性でも仕事もするし家事もする。

子供を育てながらも仕事をするし、仕事をするけど遊びもする。

仕事の中身だって、お金を得る仕事とボランタリーな仕事が平行している事が当たり前になってくるだろうし。

つまり、これから先、何か一つだけをやっていればよい人生なんて存在しない。

と言うならば、浪人生だって同じ事。 

そんな事を、家族で話し合いながらの試行錯誤を共に経験できたこと。

これも、後から振り返って考えた時に、息子にとって恐らくかけがえのない財産になっているのではないか。

こう考えると、かーさんは楽しかったし、彼にとっても意味ある一年だった。

結論として、本当に浪人して良かったね、と思わざるを得ないのです。

神様は、とても素晴らしい機会を与えて下さった。日々感謝。

 

さて、いよいよ本番を迎えるにあたって、伝えたい事。

 

それは、とにかく入試本番、初めて経験する緊張感をとことん味わっておいで、ということ。

アメフトの試合ではタックル受けても痛さを感じないって言ってたけど、その「試合本番の無心状態」を頭だけで体感する新しいチャンス。

やることやった。できることやった。

後は必要な力が出せる様にスイッチを入れるだけ。

かーさんは、そのスイッチは「試験の先にある人生のワクワク」を思い描けたらONになると思ってる。

そして、そこで出た結果は何であれ、これからの自分に一番最適で最良なもののはずだから、天に預けて結果を待てば良いこと。

行きたいと思って目指していた大学に入れたら大変に喜ばしいけど、もしそうでなかったとしても、そこには何かの意味があるはず。

今はその意味がわからなくても、いつかきっとわかる日が来る。

思っていたものと違うものが、実は自分にとって一番必要なものだったと言う事はよくあること。

結局どちらでも良いようになるんだから、あとは天に任せて本番に臨めば良し。

 

これが、入試の本番前に、かーさんが思っている事と伝えたい事。

 

なんか、ほんと、楽しみだねっ!!!!

 

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(「風の谷のナウシカ」)