第3回Vision Quest(スピーカー伊藤綾さん)開催レポート補足

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先日のブログで、Vision Questという女性勉強会を開催した話について書きましたが、もう少し詳しく知りたいと言う声がありましたので、引き続き補足。

前回のブログはコチラから

 

第3回Vision Quest(スピーカー伊藤綾さん)開催レポート - ここのつブログ(湘南〜東京デュアルライフ@江ノ島シェアハウス)

 

そもそも、この会の始まりは、私の働く職場にはアラサー女子が多いのですが、彼女達の話を聞けば聞く程、30前後の女子って悩みが多いよなと感じた事がきっかけ。

当然、生きている限りヒトの悩みは尽きないものですが、とりわけ女性の30前後は嵐のようであります。

仕事上では昇進が絡んでくるし、個人のキャリアでは留学などの可能性も捨てきれず、同時にパートナーとの関係では結婚や妊娠、出産、育児問題、はたまたプライベートの趣味とのバランスなどが同時並行的に存在している。

その上、どこか自分の決断に自信が持ち切れないと言う感覚がその悩みに拍車をかけたりして、一生懸命日々を過ごしながらモヤモヤしがち。

そんな女子たちを見ながら自分にできる事は何だろうかと考えた結果が、この会の開催でした。

同じ様な悩みの時期を乗り越えて今がある、彼女達にとっては少し先輩女子を呼んできて話を聞くことで彼女達に少しでも参考になる機会を作りつつ、同じ様な環境・心境にある女性同士の交流の場を作ること。

言ってみれば「OG先輩を教室にお呼びして先輩のお話をお聞きする」という感覚でしょうか。

 

この会を初開催するにあたって最初に相談したのが、私が新卒入社した会社の同期であり現在ははぴきゃりアカデミー代表の金澤悦子さんと、趣味の場で親しくさせて頂いているブラマンテ株式会社代表の田島弓子さんのお二人。

ちょうど去年の今頃のことでした。

このお二人が会の趣旨に快く賛同してくださり、私のつたないファシリテーションのもとでお話をして下さったのが4月。

続く2回目は10月開催。

学生時代の同級生であるほぼ日CFOの篠田真貴子さんが来て下さいました。

そして今回のゲストとして来て下さったのが、家族ぐるみのおつき合いもある結婚情報誌のゼクシィ統括編集長の伊藤綾さん

 

このVision Questでゲストの方にお話し頂く内容は、基本テーマが「アラサー女子に伝えたい事」というだけで、切り口は自由。

ご本人の体験に沿って話したい事を話したい様に進めて下さる様にお願いしています。

この会、3回を終えて感じるのは、毎回、とても熱く和気あいあいとした熱気で会場が包まれる事です。

そもそも参加者の方が前向きで意識高く来て下さる事が最初にありますが、そこに加えてゲストの方が参加者の方に何かを伝えたいという気概でご自分の経験を隠す事なく洗いざらい語って下さるからと感じます。

今回伊藤さんがご自分の軌跡をご説明されるために話して下さった経験の数々もかなり生々しかったですが、それもゲストと参加者同士の関係がとても近い関係で交流されてこそ。ゲストの方の度量の広さのおかげです。

 

スティーブジョブズの「connectiong the dots」になぞらえつつ伊藤さんが伝えたかった事は、自分が今やっている事、起こっている事が自分だけの「点」であり、その「点」は人からキラキラに見えるものでなくて良い、ということでした。

 

社会人生活わずか1年後に退職し専業主婦として生きた日々の後に28歳で復帰した編集部での社会人生活。

パワポはおろかエクセルも出来ず資料もろくに作れない自分はダメだと思っていた時に蘇ったのは、まさに4年間の専業主婦時代に経験したカスタマーとしての視点。

「庶民派編集者を代表できるのは自分だけだ」と言う事に気づいた伊藤さんは、消費者目線あってこその「こんなモノがあったらいいのに」という数々のヒット企画を思いつき始めるのです。

※詳細は下記記事参照。


「結婚の先にある家族の幸せも応援」 伊藤綾さん :日本経済新聞

 

また、双子の男の子をご出産後に編集部に編集長として再復帰された後のこと。

時間と生活管理の難しさを感じながらも定時に帰る中で、消費者としての「生活」の中にこそカスタマーとしてのヒントやアイデアが潜む事に気づき始めるのです。

視点の変化は仕事内容の変化につながり、それがメンバーにも影響を与え、結果としてチーム全体のプロダクトの変化につながる方向へシフトチェンジしたのでした。


「早く帰っても結果を出せる?!」──育休で生活者視点を得た『ゼクシィ』編集長が語るヒット連発の秘訣とは? | サイボウズ式

 

折々での苦しかった経験や劣等感は、すべて彼女にとっての大事な「点」。

そして、その「点」が自分だけの線を未来に引かせてくれる大事な「点」だったということ。

まさにピンチをチャンスに変えて自分の前進する力に繋げた彼女は、しなやかさそのものだと感じます。

本来女性は生存本能が強い事や環境適応能力が高い事などからも、とてもしなやかな生き物ですし、誰もがこのような力を持っていると信じています。

 

最後に、仕事を自分の流れに引き寄せるために伊藤さんが心がけているTipを教えて下さいました。

例えば、

●ミーティングは30分シバリ・・・人は設定した時間のイメージで会議を進める。つまり、30分に設定すれば30分で終わらせる様になる。

●自分にセットする40分間・・・打ち合わせの前に40分の空白の時間を持ち、自分のためのインプットの時間に充てる。

●自分に投資・・・上司やメンバーと有効に話を進めるためコーチングを継続して勉強中。

やはり、自分にとって大事で必要と思う事のためにいろいろな工夫をしているし、積極的に投資をして学びを続けていらっしゃる。改めて大事な事だと思いました。

 

以下にアンケートの一部を抜粋しておきます。

・自分の点と点を繋げる線は引き放題だし、キラキラでなくても良いという話は印象的。

・自分の点ってなんだろうと、改めて考えるきっかけになりました。

・先輩がこれまで頑張ってきてくれている中で、これからの自分も頑張らなくてはと思った。

・マインドの高い方達と交流できて刺激になった。

・モヤモヤした気持ちをみんな持っていると言う事を知って少しホッとしたけれど、その中でもみな行動して頑張っている。自分も仕事との向き合い方をさらに考えていきたい。

・圧倒的な働き方をしなくても、女性は活躍できる場やチャンスがあるということ。

・今まで、結婚や出産を考えるのが憂鬱だったけれど、それは自分の世界が拡がる楽しみに繋がるんだと思ったら気持ちが明るくなってきた。

などなど。

簡単にもやもやしている気持ちへの回答は出ないけれど、悩みながらでも前を向いていこうと多くの人が思ってくれた事は本当に嬉しいし、その一歩を踏み出す気持ちを持って帰って頂けたのであれば、ただひたすらに主催者冥利に尽きると感じます。

伊藤さんも、みんなでシェアしたりバトンを渡したりする事で乗り越えられたり幸せになる時代に、自分も皆さんから元気を貰いました、と。

 

会が終わって、参加された方の吹っ切れた様な晴れ晴れとした表情を見れたことは、主催者として本当に嬉しかった事。

誰かのためを思って企画するセミナーは、実は一番自分のためになっていたりするものですが、いろいろな垣根を越えて交流する事で得られるものがあるのであれば、今後も積極的に良い場と機会を創っていこうと思っています。

 

さて。

次回は4月に開催予定です。

どなたをお呼びしようか、どんな風になるのか、今から楽しみにしています。