湘南を起点にして見えてきた新しい暮らしのモノサシ
久々にお天気の良い週末が続いた。
私は自転車に乗るのが好きだ。
自転車の中でもロードバイクは、人力で非常識的な距離を移動できるところが素晴らしい。
ロードバイクに乗り慣れると、100キロの移動距離はあまり驚く事ではなくなるけれど、江ノ島がスタート地点になったおかげで、その100キロがとても有意義なものになった。
先々週は本拠地江ノ島を軸に三浦の海方面へ、先週末は箱根の山方面へバイクライド。
そう、これまでは東京が起点だった。
そうすると、都心から一生懸命バイクを漕ぎ、やっと気持ちよい場所にたどり着いた時にはヘトヘト。
別の方法としては、自転車を輪行して電車に担ぎ込み、目的地に着いたら自転車を組み直して出発。(輪行とは、前後輪を外すなどしてから専用のバッグに入れ、自転車をコンパクトにして車内に持ち込めるようにすること)
共に、気持ち良いライドを始めるまでが一苦労。
それが今は、いきなり目の前から快適ライドが始められるということ。
これ、この上ないです。
先週は、朝8時頃に江ノ島を出発。どこに行くと決めないまま三浦海岸か城ヶ島あたりを目指して134号線を三浦方面へ向かった。
佐島の漁港をぐるっと廻ってみたりしながら最終的に行き着いた先は油壺。
油壺マリーナに行こうとして脇道に逸れたら、そこは油壺湾が見下ろせる小径。
油壺は古くからの観光地や別荘地。
マリーナに停泊するヨットが向こうに見える。
穏やかな晩秋の晴れた昼間、湾の中は波もなく鏡のようで深い緑が美しい。
荒井浜は油壷の緑とは変わって、穏やかな蒼さ。
少しのんびりして、帰り道に葉山・秋谷のプライムブランチでベーコンとメープルシロップのパンケーキランチ。
しっかり身体を動かしてがっつり頂く。
そして14時過ぎに江ノ島に帰宅。
合計70キロのライドだった。
そして、その翌週はトライアスロン仲間と箱根・仙石原までバイクライド。
江ノ島に集合し、西湘〜小田原〜箱根。仙石原で折り返し。
箱根は今が見ごろの紅葉と連休で車は大渋滞。
バイクは車に気を使う事が多くてちょっと疲れるけれど、やっぱり渋滞知らずで快適なライド。
箱根の坂道を登って行くうちに赤も黄色も色の濃さを増して行き、見応えのあるものに変化していく。
坂道はしんどいけれど、はぁはぁ言いながら汗をかく時、身体が生きているのを実感する。
木陰に入った瞬間の空気のキンと冴えきって皮膚が一気に引き締まる感じも好き。
お日様を通して真っ赤に燃えるようなもみじの赤が目に飛び込んでくるのをしっかり受け止めながら、延々とつづく坂を上る。
毎年秋になると紅葉を迎え、冬になると葉が落ち、春になると芽が出て花が咲く。
こんな当たり前に思える事が実は一番大切でありがたいことなのだと思いながら、坂道の一漕ぎ一漕ぎを味わう。
そう、坂道を、はぁはぁ言いながらも登っていける自分の健康にも感謝。
そして、この日の折り返し、仙石原のススキ。
仙石原までの光景は家並みを抜ける道や紅葉のトンネルだったのが、一気に視界が開けて見晴らしが良くなる、この劇的な変化には、何度訪れてもハッとさせられる。
そして帰路。
一生懸命登ってきた坂道も、帰りは一気に下り道。
気持ちよくて楽しいけれど、何だかもったいないようなw。
この日は、朝8時に江ノ島に集合し、仙石原から引き返して箱根湯本のパン屋さん「麦神」でお昼。
2時半に江ノ島の家に帰宅。
合計100キロのバイクライド。
湘南に暮らすようになって地元の友人が多くなったけど、彼らの中には湘南に暮らしつつ都内で働いている人も少なくない。
その人たちは、日々の移動や通勤距離の長さと、朝の空気や週末の快適さを天秤にかけた上で拠点を湘南にしているのだと思う。
人は、「慣れる」ことができる。
私も以前は湘南まで出てくるために延々バイクを漕いだり輪行したりしてきたし、それが当たり前だと思っていた。
でも、「楽なものは楽」というのも事実。
ここ湘南を起点にした事で、これまで都内から一日がかりの行楽場所と思っていた箱根や三浦が半日のバイクライド練習圏内と言う事もわかった。
ここで得られる気持ちの余裕。
これを大事に心に貯金しておこう。
この先、何かの拍子で凹むことがあるかもしれない。
この先のそんな時のために、この心のゆとりを自由で引き出し可能な状態にしておこうと思った。
良き景色、良き仲間に恵まれた実りの秋の一日に思った事。
プライムブランチ
麦神